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 日本コリークラブはAKCシェトランド・シープドッグの本文を採用し配点表
は使用しない。
 但し,サイズは33~40.6㎝とする。

             AKC標準の訳文

               前 文

 シェトランド・シープドッグは,コリーと同様に,スコットランド牧羊コリ
ーの後えいである。このコリーがシェトランド島にうつされ,同島の小型で利
口な長毛種の犬と雑婚させられて,小型化したものである。その後,しばしば
コリーと雑婚させられた。現在,この犬種とラフコリーとの関係は,その大き
さ及び一般的外観において,あたかもシェトランド・ポニーと,普通の馬との
関係ににている。シェトランド・シープドッグとラフコリーとは,よくにてい
るけれども注目すべき差異も存在する。

 一般的特徴
 シェトランド・シープドッグは,小型で敏捷で手ざわりのあらい長い被毛を
もった作業犬である。健全で敏捷で頑健でなければならない。外貌は,均整が
とれており,いかなる部分も全体に対して,つりあいがとれていないようにみ
えてはならない。
 牡は牡らしく,牝は牝らしくみえるべきである。

 1.サイズ
 シェトランド・シープドッグは,体高33~40.6㎝でなければならない。
 注意 体高は次のようにして計測される。肩甲骨の最も高い位置から,地面
   に対して垂直におろした線の高さをはかる。この時,犬は自然に立ち,
   前肢は計測線と平行でなければならない。
 失格 体高が,以上の範囲にないものは,展覧会において失格となる。

 2.被 毛
 被毛は二重被毛で,上毛は長いまっすぐな手ざわりのあらいもので,下毛は
短く柔らかく,非常に密なために,被毛全体をたたせるようなものでなければ
ならない。
 顔面,耳の先端,足は,短毛である。頸の飾毛は豊富で,牡の場合は,特に
印象的である。前肢は,毛がふさふさとしており,後肢も同じく,ふさふさと
しているが,飛節以下は短毛である。尾の被毛も,ふさふさとしていなければ
ならない。
 注意 耳,足,飛節の長い毛は,展覧会に出陳するときはトリミングしても
   よい。
 欠点 全体,または部分的に,被毛が短いこと。被毛がねていること。波打
   った毛。カールした毛。柔い,絹のような毛。下毛の不足。被毛の少な
   いもの。

 3.毛 色
 黒,ブルーマール,セーブル(黄金色からマホガニ一色まである)で,種々
の程度に白,及び,またはタンの配色がある。
 欠点 黒,またはブルーの毛色のさめたもの。褪色したセーブルや,あせた
   ブルーのように色のあせたり,褪色したもの。ブルーマールで,黒の斑
   点のないもの,これは通常,褪色したトライカラーに見える。胴体にあ
   る非常にめだつ白い斑点。白色部が,体表面積の50%以上のものは特
   に大きく減点し席次を最下位とする。
 失格 ブリンドルの毛色

 4.気 質
 シェトランド・シープドッグは,主人に対して非常に忠実で,したしみやす
く,敏感なものである。しかしながら,見知らぬ人に対しては,これらの性質
を示さなくてもよい。ただし,展覧会においてはこわがったり,すくんだりし
てはならない。
 欠点 内気なもの,臆病なもの,神経質,強情なもの,咬癖のあるもの,気
   の短いもの。

 5.頭 部
 頭部は,洗練されており,上または横からみて,その形は,長い,滑らかな
くさびのように,耳から黒い鼻にかけて,次第に細くなっていなければならな
い。

 6.頭蓋及び鼻梁
 頭蓋の上面は平面をなしており,後頭骨は隆起してはならない。両頬も平面
で,滑らかで,適当にまるみをもった口吻に接続していなければならない。頭
蓋及び口吻は,等長で,その重心は限の内側の角になければならない。側面か
らみて,頭蓋の上部の線は口吻の上部の線に平行でなければならないが,はっ
きりとしたストップがあるために,頭蓋の上部の線は,口吻の線よりやや上に
位置することになる。
 顎は,すっきりとし,力強いものでなければならない。深い十分発達した下
顎は先端部では丸味をもち,すなおに,鼻鏡の下に達してなければならない。
唇は,しっかりと閉じ,上下の唇が周囲全部でびったりと合い,しかも,滑ら
かに適合していなければならない。歯は,歯ならびがよく鋏のように嚙み合っ
ていなければならない。
 欠点 二重角度の頭部,過度にめだったストップ,または,ストップのない
   もの。両眼の下,間,上がふくらんでいるもの。後頭骨が隆起している
   もの。丸い頭蓋。チーキー,スナイピー。幅と厚みの不足した短い,ま
   たは,薄い下顎。オーバー・ショット,またはアンダーショット。欠歯,
   または乱抗歯。口を閉じているときに,歯の見えるもの。

 7.眼
 眼は中等大の大きさで色が濃くアーモンドの形をした輪郭をしており,頭蓋
に,ややななめについている。眼の色は,濃い茶色をしていなければならない。
ただし,ブルーマールの場合は,碧色,または青灰色の眼でもよい。
 欠点 色のうすいもの,丸いもの,過大,または,過小のもの。瞬膜のめだ
   つもの。

 8.耳
 耳は,小さく柔軟で頭蓋の上部についており,その4分の3を立て,4分の
1を前に垂らしている。休息したときには,耳を後ろにたたんで,首の飾毛の
中にうずめている。
 欠点 耳の位置の低いもの。ハウンド種のような耳。立耳。こうもりのよう
   な耳。ねじれた耳。耳朶の厚すぎるもの,または薄すぎるもの。

 9.表 情
 頭部の輪郭のつくり,耳の形,位置,動き,眼の位置,形,色,これらのも
のが総合されて表情を形成する。通常,表情はいきいきとし,優美で,聡明で,
物問いげな様子をしていなければならない。見知らぬ人に対しては,その両眼
は,注意深く,ひかえめな表情を示さなければならないが,恐れた表情を示し
ではならなしい。

 10.頸
 頸は,筋肉質で湾曲し,頭を誇らしげに,高く掲げるのに十分なだけの長さ
がなければならない。
 欠点 頸の短かすぎるもの,または,太すぎるもの。

 11.胴 体
 全般的にみて,胴は,肩の関節から座骨端までをはかった長さが,体高にく
らべてやや長くみえなければならない。しかしながら,背そのものは比較的短
いものでなければならないので,この長さの大部分は実際は,肩と後軀の正し
い角度と,幅によって形成されるものである。背は水平で,筋肉が強く,胸は,
深く,肘に達していなければならない。肋骨は,十分にはりだしていなければ
ならないが,その下側半分は前肢や肩が自由にうごけるように,平らになって
いなければならない。下腹部は少しまきあがっている。
 欠点 背が長すぎるもの,または短かすぎるもの。凹背。凸背。たる胴。肋
   骨のはりだしていないもの。胸の幅がせますぎるもの,または,浅すぎ
   るもの。

 12.前 軀
 肩甲骨は,き甲から肩甲関節にむかつて,45度の角度にかたむいていなけ
ればならない。肩甲骨はき甲部で椎骨によりへだてられている。しかし望まし
い肋張りが,十分可能であるように,外方にむかつて傾斜していなければなら
ない。上膊骨は肩甲骨に対して,できるだけ直角に接続していなければならな
い。
 肘は,地面からもき甲からも等間隔に位置していなければならない。前膊は,
あらゆる方向からみて垂直で,筋肉にとみ,滑らかで,丈夫な骨をもっていな
ければならない。パスターンは,強靭で柔軟性にとんでいなければならない。
狼爪は,除去してもさしっかえない。
 欠点 肩甲骨と上膊骨のなす角度が,不十分なもの。上膊骨の短かすぎるも
   の。肩甲骨の外側への傾斜不足のもの。肩のゆるいもの。外偏,または,
   内偏した肘。曲がった肢。骨量不足。

 13.足(前,及び,後)
 足は,卵円形で充実し,指は,よく湾曲して互いに密接していなければなら
ない。パッドは,厚く強靭で,爪は,固く丈夫でなければならない。
 欠点 内側または外側にむいている足。ひろがった足。兎足。猫足。

 14.後 軀
 腰は,ややアーチして,尻は次第に傾斜しておわる。坐骨は,脊椎に対して
30度の角度をとらなければならない。
 大腿部は,幅広く筋肉にとみ,大腿骨は,坐骨に直角に接続しなければなら
ない。これは,肩甲骨と,上膊骨の角度に相当する。
 下腿骨は,大腿骨に接続し,膝関節において明瞭な角度構成をしていなけれ
ばならない。下腿部全体の長さは少なくとも大腿骨の長さに等しく,むしろ,
幾分長いくらいがのぞましい。飛節関節は,すっきりとし,よい角度で筋肉に
富み,丈夫な骨と強い靱帯で構成されていなければならない。
 飛節はみじかく,あらゆる方向からみて地面に垂直でなければならない。狼
爪は除去すべきである。
 欠点 しりがき甲部より高いもの。しりが丸味をもたず直線すぎるもの,ま
   たは傾斜が急すぎるもの。大腿部の幅がせまいもの。カウホック。飛節
   の外偏。飛節関節の輪郭がはっきりしないもの。足の欠点については,
   前軀の項と同じ。

 15. 尾
 尾は,十分にながく,後肢の後側にそってさげた場合に,尾骨の先端が飛節
関節に達するものである。平静な時,尾はまっすぐに垂れるか,やや上向きの
弧をえがく。緊張したときは,通常尾をあげるが,背の上にむかって弧をえが
いてはならない。
 欠点 短い尾。先端のねじれた尾。

 16.歩 様
 速歩の際の歩様は,軽快で滑らかなものでなければならない。はねとぶよう
な歩様,ごつごつした歩様,高踏みの歩様,上下に身体のゆれる歩様は望まし
くない。推進力は,後軀から出なければならない。前後軀の正しい角度,筋肉,
靭帯によって,正しくまっすぐな推進力がえられる。このようにして,犬はそ
の胴の下に後足を十分踏みこみ,身体を推進することができる。前肢の踏みこ
みは,前軀の正しい角度構成と,筋肉,靭帯,更に,胸の正しい幅,及び十分
な肋張りによるものである。肢が前方に振り出される際は,足は僅かに地表か
ら離れる程度に上げられれば十分である。
 正面からみると,前肢も,後肢も,並足の時は,ほとんど地面に垂直に前方
に踏みだされる。ゆっくりとした速歩のときは,やや内側に傾き,早い速歩に
なると,足は身体の中心線に近接するために,足あとのえがく平行線は,実際
には,その内側が犬の中心線に一致するに至るものである。足は,決して交叉
してはならない。また,体重を左右に移すような歩き方をしてはならない。
 欠点 滑らかでなく,歩幅のせまいとびはねるようなごつごつした歩様。体
   を上下にゆすりながら,こきざみに歩くこと。体重を左右に移動平均を
   とる歩様(この歩様は,よく踊るような歩様といってほめられるが,こ
   れは,よくない歩様である。しかし子犬の場合には,さしつかえない)
   ハクニーのように,前肢を高くあげること。この歩様は,スピードが減
   じエネルギーを無駄に消費する。側対歩。

 17.失格条項
 33~40.6㎝の範囲外の体高。ブリンドルの毛色。


J.C.C.


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