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支部の〔 ニュース News 〕  支部の〔 ニュース News 〕



               総 論

 コリーは躍動する生命の表現として評価されなければならない。すなわち,
一個の生命としての科学的合理性に立脚した,無駄のない機能の美しさと,同
時にその外貌,身体各部の形状と表情,性格および挙措とが,渾然と融合して
人々に訴える美しさとを示すものである。
 従って,牧羊作業犬を源流とするコリーは,叡智に溢れ,弾力性と即応性に
富み,常に新鮮な好奇心と注意力をもち,かつ,人間と理想的な協同生活を営
み得る強健な家庭犬でなければならない。
 各論に述べられる身体各部の理想は,その部分だけで,また静止の状態だけ
で評価されてはならず,必ずそのコリー全体の動きを通じて,調和均衡のとれ
た有機的総合性という観点から,この総論に述べられているコリーの理想に照
らして判断されなければならない。

               各 論

 1.頭 部
 頭部は犬体にふさわしく軽快で,コリーらしい表情を示し,頭蓋と口吻との
上縁は側面から見て等長かつ平行で,その間に僅かではあるが,はっきりした
ストップがあり,上または横から見て,滑らかなくさびのような形をしている。
 口吻は滑らかな丸味をもっており,頬は上から見て直線をなし,下顎は力強
く発達し,歯は正常で鋏状に噛みあっている。頭蓋は適度の幅をもち,その上
面は平面である。

 2.眼
 眼は,その形,大きさ,位置が適当で,いきいきした表現力をもっている。
 その色は,ブルーマールを除いては毛色にふさわしい暗色で,瞬膜は,なる
べく小さく見え,暗色であることが望ましい。

 3.耳
 耳は適度の間隔をもって位置し,その大きさは,頭部にふさわしく,形は,
基部から先端に向かつて丸味を帯びた三角形をなし,緊張時には,半立耳とな
り適度に頭蓋の上に引き寄せ,その先端は前方に美しい弧をえがいて垂れ,コ
リーの真の表情に寄与する。

 4.頸
 頸は,かなり長く,よく湾曲して高く掲げ,筋肉に冨み,力強くすっきりし
ており,その周囲には豊富な被毛をもち,堂々と誇らしげな様子をしている。

 5.胴体
 胴体は,筋肉質でがっちりしており,体長は体高に比してやや長く,胸部は
よく発達して舟底型をなし,肩は正しく傾斜し,胸は深く肘に達している。背
は,水平で力強く,腰部は充実しその上縁は僅かに湾曲している。しりは適度
の幅をもち,なめらかな丸味をもっている。牡の睾丸は正常でなければならな
い。

 6.四肢
 四肢は,犬体にふさわしい骨量と力強さをもち,正しく位置する。前肢は適
度の広さの着地幅をもち,肩と上膊および前膊のつく角度は正しく,前膊は垂
直で,柔軟なカ強いパスターンで支えられている。
 ふくよかな肉づきの前肢に比し,後肢は筋肉がひきしまり,大腿部は強靭な
よく発達した筋肉をもち,大腿,下腿,及び飛節は正しい角度で構成され,飛
節は地面に対して垂直である。
 足は卵円形で比較的小さく,足指は十分湾曲し,互いによく密接して前方を
向き,パッドは充実している。

 7.歩様
 歩様は滑らかで楽々とした自由な運歩を示しかなりな歩幅をもち,後肢の力
強い推進力は前肢と完全に連けいされている。速歩時に,前肢は正面から見て,
肘は外偏せず,かつ速力と比例して,両足は互いに近接するが交叉しない。後
肢は,後方から見て前肢と同調して近接して運歩する。即ち前後足はほぼ一直
線上を運歩し,いわゆるシングルトラックとなる。また並歩,速歩のとき,踏
み出しは低く,正常な歩様を示す。

 8.尾
 尾は適度に長く,尾骨は飛節関節またはその下に達し,その先端は僅かに上
向いている。静止時は低く支持し,運動時,興奮時には上にあげるが,背線の
上にかぶさる程はまきあげない。

 9.被 毛
 被毛は犬体にふさわしく正しい毛吹きで,全般に長毛であるが,頸の周囲,
しりが,特に長毛である。頭部,四肢は短毛であるが,前肢のうしろ,後肢の
飛節から上のうしろは長毛である。上毛は長く直毛で,手ざわりあらく,密度
高く,下毛は柔く密毛である。

 10.毛 色
 毛色は,身体の大部分の色によって,セーブル,トライ,ブルーマール,ホ
ワイトの四種に分けられ,その間に色による優劣はない。

 11.サイズ
 牡は体高55~65㎝,牝は50~60㎝を標準とするが,体重との均衡のとれた
調和した大きさで,過大または過小に見えないことが望ましい。

 付 スムーズコリー
 スムーズコリーには独立した標準は作られていないので,その審査は,ラフ
コリーの標準による。ただし,被毛の量と分布の個所は,スムーズコリーに適
用されない。スムーズコリーの被毛は,短密毛で,なめらかなものである。


J.C.C.


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